何が問題か
主語と述語が対応していない。あるいは、そもそも述語がない。
会話文などでは述語がなくても分かる場合がある。なくても分かるかどうかを判断するには、修飾語を取り除いてみるとよい。
以下は岩淵悦太郎編著『悪文 伝わる文章の作法』(角川ソフィア文庫、2016年)にある例文だ。
こうした仕事を15年も続けてきて、つくづく思うことは、良縁をうるカギは結局本人が自分の価値を冷静に知ることだ。
「思うことは」という主語に対しては「……ということだ」と結ばなければならない。これがない場合は述語がないことになる。
処方箋
基本的は処方箋は、述語を抜かさないこと。これしかない。上のような例文に接したときに違和感を持つ感覚が必要だ。
もう一つの処方箋は、文を分けること。複数の事項をむりやり一文に押し込もうとするから悪文になる。上の例文は次のように二つの文に分けることができる。
こうした仕事を15年も続けてきて、つくづく思うことがある。良縁をうるカギは結局本人が自分の価値を冷静に知ることだ。
この方が、読んでいても意味をつかみやすい。
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