例文
すいません、私はロシア政治の専門家の廣瀬陽子さんや防衛省直轄の防衛研究所さんなんかは、 ロシアの侵攻は全く想定外だったという反省から、「ウクライナ戦争の衝撃」 という本を出版されていました。
問題点
「すいません、私は」の読点が句点でないのに意識が向く。文を区切らずに一続きの流れで表現したかったのだろうと思う。
「すいません」は謝罪・恐縮などの気持ちを表すのが通常だ。場合によっては感謝や依頼の言葉としても使われる。しかし、この文を最後まで読み進めても「すいません」がどの意味で使われているのか分からない。そもそも「私は」という主語に対応する述語が出てこない。
どの意味だとしても「すいません」は自分の感情や思いを相手に伝える語だ。だが、続く「ロシア政治の専門家の廣瀬陽子さんや……」から文末の「出版されていました。」までは、自分の感情や思いではなく、事実(と筆者が認識していること)が書いてある。
改善例
そもそもこの文で筆者は自分の感情や思いを相手に伝えたかったのか、それとも事実を摘出して示したかったのか。想像するしかない。可能な限り想像を膨らませて次のように解釈してみる。
- 「すいません」は、恐縮の意味で書かれた。
- 「私は」は、自分の理解を示そうとした。
恐れ入りますが、私は次のように理解しています。つまり、ロシア政治の専門家の廣瀬陽子さんや防衛省直轄の防衛研究所さんなんかは、 ロシアの侵攻は全く想定外だったという反省から、「ウクライナ戦争の衝撃」 という本を出版されていました。
参考
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日本語作文