引用
しかし、省庁が与党の実力者たる元自省大臣で、オマケに今も別担当の大臣である政治家とここまで対立するというのは珍しい。 オイラの記憶には他に例がない。 実に興味深い。
問題点
「省庁が与党の実力者たる元自省大臣で、」と読み進めると頭が混乱してくる。
まず「省庁が与党の実力者」で混乱する。ちょっと意味が分からないと思うが、これは先へ読み進めよということだと理解し、読み続ける。すると「元自省大臣」で再び混乱する。
これは「元自治省」の「治」が抜けているのか。しかし「自治省」という3文字の真ん中が抜けるというのは腑に落ちない。これも先へ読み進めよということだと理解することにする。
「今も別担当の大臣である政治家と」まで読むと、何となく意味が想像できる気がしてくる。「与党の実力者」が元大臣で、その人物が「今も別担当の大臣」であるということのようだ。恐らく、今(2023年3月)話題になっている高市早苗大臣のことなのだろうと想像できる。
「ここまで対立する」と来て、三度混乱する。誰と誰が対立しているのか。一方は恐らく高市大臣だろう。もう一方はというと、文頭まで遡って「省庁」がそれなのだろうと想像する。
「省庁が」と「対立する」との間に38字ある。距離が遠すぎる。
改善例
最も簡単な改善策は、「省庁が」を「対立する」の直前に置くことだ。
しかし、与党の実力者たる元自省大臣で、オマケに今も別担当の大臣である政治家と、省庁がここまで対立するというのは珍しい。 オイラの記憶には他に例がない。 実に興味深い。
もう一つの策は、「省庁が」の後に読点を打つことだ。
しかし、省庁が、与党の実力者たる元自省大臣で、オマケに今も別担当の大臣である政治家とここまで対立するというのは珍しい。 オイラの記憶には他に例がない。 実に興味深い。
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